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膨らんだリチウムイオン電池・モバイルバッテリーの安全な捨て方|火災を防ぐ手順

Verified 公開日: 約10分

消防庁が令和8年3月に公表した最新調査によると、リチウムイオン電池等から出火した火災件数は、令和4年601件・令和5年739件・令和6年982件・令和7年1,297件と毎年増加し、令和6年比で約32%増となりました(出典: 消防庁予防課「リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果(令和7年)」)。特にモバイルバッテリーの出火件数は令和6年290件→令和7年482件と前年比約7割増で、出火件数の最多製品となっています。

問題になるのが「膨らんでしまった・熱を持っている・水没した」電池の扱いです。JBRC協力店の回収ボックスは正常品が前提で、異常品は受け取りを断られます。本記事では、家庭で安全に処分するための具体的な手順を整理します。

この記事で確認できること

  • リチウムイオン電池起因の火災は令和7年に1,297件(消防庁・前年比32%増)
  • 膨張・変形・水没したリチウム電池はJBRC協力店で断られることがある
  • メーカー回収・販売店回収・自治体の特殊回収を順に試す
  • 端子をテープで絶縁し、不燃材(耐熱袋・砂)に包んでから運ぶ
  • 発煙・発熱があれば直ちに距離をとり、119番通報する

Quick Check

  • 膨張・変形・破損・液漏れ・発熱・水没のいずれかがある電池は「異常品」扱い
  • JBRC協力店ボックスに入れず、メーカー・販売店の個別窓口を使う
  • 端子をビニールテープ等で絶縁し、不燃材で包む
  • 発煙・発熱があれば即119番通報

なぜリチウム電池火災が増えているのか

消防庁の年次集計では、リチウムイオン電池等から出火した火災件数(廃棄回収中の塵芥車・ごみ処理施設を除く)は令和4年601件→令和5年739件→令和6年982件→令和7年1,297件と4年連続で増加し、令和7年は対前年比で約32%増となりました。背景には、モバイルバッテリー・電子タバコ・コードレス掃除機など、小型充電式電池を内蔵する家電が爆発的に普及したこと、そして使用済みの電池が他のごみと混ざって処理ラインに入ってしまうケースが増えていることがあります。

電池内部のセルが破損すると、内部短絡によって瞬時に高温(数百℃〜)に達し、周囲の可燃物に着火します。一度燃え始めると通常の水消火が効きにくく、消火に時間がかかります。これがごみ収集車や処理施設で起きると、車両ごと炎上する事故になります。消防庁の同調査では、令和7年に廃棄電池回収中の塵芥車・ごみ処理関連施設から出火した火災も全国で213件確認されており、自治体側でも分別ルールの周知強化が進んでいます。

なぜリチウム電池火災が増えているのか
出火件数(全国)前年比
令和4年(2022年)601件
令和5年(2023年)739件+23%
令和6年(2024年)982件+33%
令和7年(2025年)1,297件+32%

「異常品」と判断する6つの兆候

次のいずれかが当てはまる電池・モバイルバッテリーは、通常の回収ボックスではなく個別窓口で処分する必要があります。

  • 膨張: 本体が膨らんで筐体が変形している、または開いている
  • 発熱: 触れて熱い、または充電時に異常に熱くなる
  • 破損: 外装に亀裂・穴・へこみがある
  • 液漏れ: 液体や粉が漏れている、においが異常
  • 水没: 水・コーヒー・洗濯機などに浸かったことがある
  • 煙・異臭: 過去に発煙したことがある、または焦げ臭がする

正常品 vs 異常品:処分ルートの違い

正常品 vs 異常品:処分ルートの違い
状態推奨ルート備考
正常JBRC協力店の回収ボックス家電量販店・ホームセンターなどに設置。無料。
軽度の膨張・変形メーカー・販売店の引取り窓口シリアル番号・購入店情報を控えて問い合わせ
明らかな膨張・破損・液漏れメーカー回収または自治体の特殊回収輸送中の発火を避けるため絶縁・梱包を厳重に
発煙・発熱119番通報自分で処分しない。屋外の不燃物上に置いて距離をとる

メーカー回収を依頼する手順

膨張・変形品はメーカー回収が第一選択肢です。次の手順で進めると、トラブルなく引き取ってもらえます。

主要メーカー(Anker・cheero・エレコム・バッファロー)はリコール対象品を含めて個別回収窓口を持っています。リコール対象なら無料、対象外でも自費送料で受け取ってくれるケースが多いです。

  • Step 1: 製品の型番・シリアル番号を控える(取扱説明書または本体ラベル)
  • Step 2: 現状の写真を撮影(膨張・変形の度合いがわかる角度で)
  • Step 3: メーカー公式サイトのサポート窓口(電話 or メールフォーム)に連絡
  • Step 4: 返送キット(耐熱袋・専用箱)の有無を確認し、案内に従って梱包・発送

自治体の特殊回収という選択肢

メーカーが既に倒産・撤退している、または購入時の記録が一切残っていない場合は、お住まいの市区町村の廃棄物担当窓口に直接電話してください。

多くの自治体では、リチウム電池の特殊回収日を設けているか、清掃事務所窓口での個別引取りを行っています。「膨張している」「火災リスクがある」と伝えれば、収集車には載せず、別便で引取りに来てくれるケースもあります。本サイトの『お住まいの自治体の捨て方ガイド』でも、各市区町村の特殊回収窓口を確認できます。

輸送・保管時の絶縁・梱包手順

メーカーや自治体に送る前の自宅保管・運搬の際は、次の絶縁・梱包を必ず行ってください。

  • 端子(+/-接点)にビニールテープを2重に貼り、ショートを防ぐ
  • ジッパー付きビニール袋に入れ、空気を抜いて密閉
  • 袋の外側を耐熱袋(または砂を入れたジッパー袋)でさらに包む
  • 段ボール箱の底にも砂または猫砂を敷いて緩衝する
  • 高温になる場所(車内・直射日光下)に置かない

発煙・発熱に気づいたときの緊急対応

電池から煙・異臭・異常な熱を感じた場合は、自分で消火しようとせず、次の手順で対応してください。

  • 1. 電池から距離をとり、可燃物(紙・布・家具)を周囲から離す
  • 2. 119番に通報する(「リチウム電池の発火」と伝える)
  • 3. 屋内であれば、可能な範囲で屋外(ベランダ・玄関先)の不燃物の上に移動
  • 4. 大量の水・消火器で消そうとしない(リチウム電池には専用の対応が必要)
  • 5. ペットや子どもを別室に避難させる

電子タバコ(加熱式・VAPE)も同じ扱い

IQOS・glo・Ploom・VAPEなどの電子タバコ製品は、本体に充電式リチウム電池が内蔵されています。膨張・変形時の取り扱いはモバイルバッテリーと同様で、メーカーの公式回収プログラムを使うのが最も安全です。

フィリップモリスインターナショナル(IQOS)、BAT(glo)、JT(Ploom)は公式サイトから返送キットを申し込めるほか、ファミリーマート・コンビニ・量販店の店頭回収を受け付ける期間限定キャンペーンも実施しています。

よくある質問

膨らんだモバイルバッテリーを家電量販店のJBRC回収ボックスに入れていい?

原則として入れてはいけません。JBRC協力店の回収ボックスは「正常な状態の小型充電式電池」を対象としており、膨張・変形・破損・液漏れがあるものは受け取りを断られます。理由は輸送・保管中の発火リスクで、製造者が指定する個別ルートで処分する必要があります。

メーカー回収はどうやって依頼する?

製品の取扱説明書またはメーカー公式サイトに「リコール対象品・膨張時の取り扱い」が記載されています。Anker・cheero・エレコムなど主要メーカーは膨張品の個別引取り窓口を持っているケースがあるため、購入時のシリアル番号と現状写真を添えて問い合わせてください。

自治体の粗大ごみで出していい?

出してはいけません。多くの自治体では小型家電として収集する場合でも「リチウム電池が内蔵された膨張品」は分別ルールで対象外としています。誤って混入させた場合、収集車・処理施設での発火事故につながった事例があり、自治体側でも対応に苦慮しています。お住まいの市区町村の廃棄物担当窓口に直接電話するのが確実です。

電池が熱を持っている、煙が出ている。どうすればいい?

直ちに電池から距離をとり、可燃物を周囲から取り除いたうえで119番通報してください。リチウム電池の発火は通常の水消火では消えにくく、消防の対応が必要です。屋内であれば一時的にベランダや屋外の不燃物の上に移動できる場合のみ移動し、無理に水をかけたり投げたりしないでください。

電子タバコ(IQOS・glo・Ploom)の処分も同じ手順?

本体にリチウム電池が内蔵されているため、扱いは同様です。フィリップモリス・BAT・JTのいずれも公式に回収プログラムを提供しているので、各メーカーの公式サイトから返送キットを取り寄せるのが安全です。コンビニ・量販店の店頭回収を受け付ける場合もあります。

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出典

本記事は上記の一次ソースと自治体公式情報をもとに、粗大ゴミ処分の判断手順を編集部で整理したものです。制度や料金は自治体・事業者・時期によって変わるため、実際に申し込む前に必ず最新の公式情報を確認してください。